高級腕時計ブランドがスポーツ広告に力を入れる理由

高級腕時計ブランドがスポーツ広告に力を入れる理由

大坂なおみ選手が新モデルの人気に火を付けたー。

昨年、シチズンの腕時計の新モデルが、発売前から予約が殺到したというニュースをご存知だろうか。光発電腕時計「エコ・ドライブBluetooth」は、シチズン時計のブランドアンバサダーの大坂選手が試合で着けていたことから爆発的人気に。2018年9月14日発売の新モデルは、なんと予約の段階で品薄状態になっていたという。

時計メーカーとスポーツ選手との関わりは今に始まったことではない。ロレックスをはじめ、世界に冠たる高級腕時計メーカーは世界各地でさまざまなジャンルのスポーツに広告を出し、ブランド力をアップし個人の購買行動へとつなげてきた。

今回は、高級腕時計ブランドを中心に、スポーツ広告について見ていこう。

スポンサーシップ・マーケティングとは

野球やサッカー、テニスにマラソンなど、プロスポーツと切っても切り離せないのが、スポンサー契約だ。選手のユニフォームや試合会場の看板には必ず企業ロゴや商品名を目にするが、その光景はごく自然なものになっている。

憧れのスポーツ選手が身に着けているユニフォームやグッズを自分も手に入れたいと思うのは、ファンにとって当然の心理。スポンサー契約を結んだスポーツ選手は企業の広告塔となる代わりに、選手としての活動に必要な莫大な資金を手にする。

こうしたスポーツ選手・広告企業・ファンや消費者といった三者の関係で成り立つ広告手法を「スポンサーシップ・マーケティング」と呼んでいる。

スポンサーシップ・マーケティングはオリンピックやワードルカップといった世界的な規模の大会から、小規模な試合までさまざまなスポーツシーンに浸透している。

中でも、このマーケティング戦略の最高峰といえるのが、ロレックスやブライトリング、ウブロなど高級腕時計ブランドによるスポーツ大会への広告出稿だ。

ロレックスとウィンブルドンの密なる関係

高級腕時計の代名詞であるロレックスはテニスの世界四大大会の一つ、ウィンブルドンで40年間、オフィシャルタイムキーパーを担ってきた。1978年以来、歴史と伝統を誇るウィンブルドンのスポンサードは、ロレックスの名を不動のものにしたと言えるだろう。

時代とともに栄冠を手にする選手が入れ替わり、常に新しい息吹を感じさせてくれるウィンブルドン。それと歩調を合わせるかのように、ロレックスも高級腕時計ブランドの名を高める努力を続け、伝統を守りつつも最先端の技術を開発し時計づくりをおこなってきた。

正確な時を刻むという高級腕時計ブランドの威信をかけ、ウィンブルドンをサポートし続けてきたロレックス。1981年のボルグ対マッケンローや2009年のフェデラー対ロディックなど、歴史に残る数々の名試合には、必ずロレックスのロゴが入ったスコアボードが後ろで見守ってきた。

2017年の男女シングルスの優勝者もロレックスがサポートしていた選手である。次々と記録を伸ばし続けるフェデラー、初優勝で世界ランキング1位を獲得したムグルサ。腕に着けていたロレックスは世界の勝者にふさわしい輝きを放っていた

歴史に名を残すテニスの王者や女王たち。ロレックスはテニスのチャンピオンをサポートすることで、人生にスペシャルな価値を与え、夢を達成するという偉大なブランドイメージを確立したのである。

エアレースとブライトリング社の航空業界戦略

日本人唯一の大会出場者で話題となった「レッドブル・エアレース千葉2017」。優勝した室屋義秀選手の活躍は記憶に新しい。

エナジードリンクで知られるレッドブルがスポンサーの「レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ」だが、ブライトリングもエアレースとは深い関わりを持ってきた。

ブライトリングはエアレースを主催する国際航空連盟(FAI)との世界的なパートナーシップ協定を結び、公式時計に選ばれている。

室屋義秀選手も千葉大会ではクロノマット ブラック・カーボンをパイロットウォッチとして着用し勝利を勝ち取った。もともと、室屋選手は父親の影響でブライトリングのクロノスペースに親しみがあり、曲技飛行大会に参戦していた頃、スポンサー契約を結んでいる。

エアレースでは急加速によるGや天候によって時には60度くらいに上昇するコックピットの室温など、さまざまな厳しい環境下に耐えられる腕時計が必要だ。ブライトリングの腕時計なら針跳びや針ズレ、故障といった不具合が起きることなく、パイロットウォッチの役目をしっかりと果たしてくれる。

あらゆる環境を想定して開発製造されているブライトリングがエアレースに参戦することで、広告イメージだけでなく腕時計の耐久性による信頼も十二分にアピールできているのだ。

自社でも2009年にエアレースチームを結成しているブライトリングはレッドブル・エアレース・ワールドシリーズをはじめ各地で参戦。また、民間のエアロバティックス・チームとして活躍しているブライトリング・ジェットチームは日本を含む世界の航空イベントやスポーツイベントでジェット練習機「L-39 アルバトロス」7機による飛行ショーを披露している。このほか、1935年に処女飛行したプロペラ機・ダグラスDC-3は1940年製のブライトリング社所有機が千葉大会にも参加。約80年以上の飛行機の歴史を体感できる貴重な機会を世界のイベントで与え続けている。

ウブロとW杯の連携ドリブル

ウブロとW杯

4年に一度、世界が熱くなるサッカーのワールドカップ。2010年の南アフリカ大会からパートナーシップを結んでいるウブロは、サッカー界に多大な貢献をしてきた。

ウブロがサッカーのスポンサーシップ・マーケティングをスタートしたのは2006年。スイス代表チームのスポンサーを皮切りに、2018年のワールドカップ・ロシア大会では3度目のオフィシャルタイムキーパーとしてFIFAから依頼を受けてレフェリーウォッチの開発も行っている。

出典:https://www.hublot.com/en/news/big-bang-referee-2018-fifa-world-cup-russia

ロシア大会唯一のオフィシャルウォッチとなったのがその「ビッグ・バン レフェリー 2018 FIFA ワールドカップ ロシア」だ。選手とともに動き回るレフェリーのために、ケースは軽量チタニウム製で印象的な6つのベゼルビスが全体を引き締める。

さらに、サッカーの試合のために開発されたアプリも実用性が非常に高く、試合開始15分前やイエローカードやレッドカードをはじめ選手交代やゴールのタイミングで通知機能を搭載。

特にロシア大会では、ゴールが決まるとバイブ振動とディスプレイに「GOAL」の文字が通知される上、ダイアル上に試合のデータが表示されるなど、サッカーのために誕生したウブロならではの腕時計だった。

レフェリーボードもユニークなデザインと色づかいで世界中のサッカーファンを楽しませてくれたウブロ。10年強でサッカーの時計といえばウブロとまでいわれるブランドイメージを確立した成果には拍手を送りたい。

まとめ

ロレックス・ブライトリング・ウブロ。高級腕時計ブランドが世界のスポーツに深く関わるのには、それぞれのスポーツからイメージされる伝統や革新、チャレンジや粘り強さといった精神性を腕時計とオーバーラップさせられるからだ。

スポーツをサポートし、スポーツに育てられる世界有数の高級腕時計ブランドたち。今後も、スポーツの世界で鮮やかなスポンサーシップ・マーケティングを見ることができるだろう。

▼参考URL

https://www.sankei.com/economy/news/180918/ecn1809180027-n2.html

https://agenda-note.com/special/detail/id=171

https://www.hotelbragaestacao.com/advertisement.html

https://www.rolex.com/ja/world-of-rolex/tennis/wimbledon.html

https://www.breitling.co.jp/redbullairrace/

https://mainichi.jp/articles/20170609/gnw/00m/040/000000c

https://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1062892/071400009/

http://ascii.jp/elem/000/001/581/1581078/

https://www.breitling.co.jp/about/aviation/index.php

https://www.hublot.com/ja/collection/big-bang/big-bang-referee-2018-fifa-world-cup-russia-49mm

https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20180623/782572.html
https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20180614/775961.html

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